田舎にお墓だけあるけどお墓参りに行けない
コロナでお墓参りに行きづらくなったなあ
山の中にお墓があるけど、今後お墓参りに行けるかどうか・・・
お盆やお彼岸が近づいてくると、お墓についてのいろんなことを考えるようになりませんか?
今までは帰省したときにお墓参りをしていたのに、コロナでなかなか行きづらくなった人も多いことと思います。
そんな中、お墓が近くにあれば良かったのにと考えた方もいるのではないでしょうか。
お墓の引越しってできるの?
父親が建てたお墓をそのまま使いたい
手続きはどうしたらいいの?
お墓の中の遺骨をどうしたらいの?
意外と費用がかかるのでは?
この記事ではお墓の引越しについて述べていきます。
今あるお墓を今後どうしようかと考えている方の参考になればと思います。
お墓の引っ越しはできるのか?
お墓の引越しって実際にできるものなの?といった疑問があると思います。
結論から言えば可能です。
ただ、全部そのまま使えるのかそれとも一部は修繕が必要になってくるのかなど、お墓の経年状況によって違いが出てきます。
お墓の引越しする際、一度解体を行わなくてはいけないので、年数の経っているお墓ですと、解体や運搬途中で部材が破損する場合があります。
御影石のひび割れには案外気づきにくいものです。職人さんも見落とすことがあるくらいなので、素人目にはパッと見分かりません。
もし、ひび割れが入っている状態のお墓を解体しようとすると、欠けたり、最悪の場合割れてしまったりということが起きます。
お墓は解体することを前提に建てられているわけではないので、破損するかもしれないリスクがあるということを知っておいた方がいいでしょうし、解体前に石材業者に見てもらった方がいいでしょう。
ここで、数社に見てもらうことはするべきです。A社は気づかなったけどB社に見てもらったらひび割れに気づいて事前に説明してくれた、なんてことはよくある話です。
今まで何気なくお参りしていたお墓でも意外とどこかに不都合がある可能性がありますので、注意が必要です。
お墓の引越しの流れについて
ここではお墓の引越しの流れについて説明します。
お墓の移動に行政手続きは必要ありませんが、お墓のお引越しには遺骨の移動もついてくることになりますから、遺骨を移動させるには「改葬手続き」が必要となります。
お墓の引越しは改葬と言われることもあります。
①お墓の引越し先を決める(墓地の選定)
墓地を決める際に注意すべきところはいくつかありますが、ポイントは指定業者が決まっているかどうかになります。
例えば、県外からお墓を持ってくる場合、建立はするけど県外まで解体には行けないので、解体は別の業者を探してくださいといったところもあります。
業者どうしで打合せをしてもらえるならいいですが、間に入って配送などの手配もしなければならなくなったら大変です。
墓地に指定業者がある場合、解体から建立まで全て行ってもらえるかどうかの確認は最低限しましょう。
②改葬の手続きを行う
③閉眼供養(お性魂抜き)を行う。
「閉眼供養」とは「お墓から仏様に出て頂く儀式」のことです。宗派によっては「お性魂抜き」という場合もあります。必ず閉眼供養をしなければならないという決まりではありませんが、仏事のことなので、なるべくならしておいた方がいいと思います。
※最近では、閉眼供養に必要なお布施が3万円ぐらいかかることから閉眼供養を行わない家庭も増えてきました。
④遺骨を取り出す
閉眼供養が終わったら遺骨を取り出します。ここで一つ注意が必要です。
お墓を引越す場合、次の墓地にお墓が建つまで最短でも2か月は必要になってきます。その間遺骨をどこかで保管することになります。
保管先として自宅か納骨堂が一般的ですが納骨堂ですと、保管料を納めなければなりません。自宅に遺骨を置いておくことに抵抗がなければ、しばらく自宅に置いておくのもいいでしょう。
⑤開眼供養(お性魂入れ)をし納骨する
引越し先の墓地にお墓が建ったら「開眼供養」をして納骨します。「閉眼供養」が「お墓から仏様に出て頂く儀式」なら「開眼供養」は「お墓に仏様を迎える儀式」のことです。宗派によっては「お性魂入れ」と言うこともあります。
お布施として3万円ぐらいが必要となります。
以上がお墓の引越しの流れとなります。
お墓の引越しのメリットとデメリット
いろいろとすることの多いお墓の引越しですが、ここではメリットとデメリットを述べたいと思います。
メリット
- 近くにお墓を持ってくることで、気軽にお墓参りができる様になる
- 先代が建てたお墓に今まで通りお参りができる
- 新しくお墓を建てるより費用を抑えることができる場合がある
- 田舎のしがらみなどから解放される
デメリット
- 親戚とトラブルになる可能性がある
- 寺院と離壇などのトラブルに発展する可能性がある
- お墓の状態によっては、新規で建てるより費用がかかる場合がある
- 意外と手続きが面倒
デメリットの中で、一番多いのが親族や寺院とのトラブルです。特に高齢の方だとお墓の引越しに抵抗感を持っている人も多いので、しっかりと話合い理解を得ることが重要となってきます。
お墓の引越しの費用
それではお墓の引越しにかかる費用はどのくらいかかるのでしょうか?
一般的に70万円~200万円くらいを目安に考えるといいでしょう。
現在、お参りしているお墓をそのまま利用するのか、それとも墓じまいをして、新しくお墓を建立するのかによって金額には開きがでます。
また、今のお墓の一部を再利用するなどのリフォーム、納骨堂や樹木葬への改葬などによっても金額は変化します。
ですから、複数の業者から見積やプランなどを取り寄せて、自分にあったやり方を選ぶのがいい方法だと思います。
まとめ
正直、お墓の引越しは業者にとってあまりやりたくない仕事と言えます。
現在建っているお墓を再利用するわけですから、解体にも神経を使いますし、移設先に合わせた加工も必要になってきます。
新規のお墓より利益の出ない引越しの仕事は石材業者泣かせの仕事と言えます。
彼岸やお盆などの繁忙期に引越しの依頼がくると、中にはあえて高い見積を出して仕事が来ない様に仕向ける業者もいます。
お墓の引越しを検討する際には、複数の業者から見積を取り、納期やプランを聞き自分で納得のできる業者に依頼することが必要になると思います。